糖尿病に特有な合併症です。全身の細い血管の障害が出現します。
糖尿病性神経障害
糖尿病が進行すると、全身の神経の働きが鈍り、足先や手先がしびれたり、麻痺した感じがしたり、痛い、足が冷たい、ほてる、力が抜ける、立ちくらみがする、額や顔に汗をかきやすいなどの神経症状が出てきます。糖尿病性神経障害は糖尿病患者におけるもっとも重大な合併症の一つです。知覚神経の障害はしびれ感、灼熱感などを伴う強い痛みが出ます。自律神経の障害は、心臓神経の障害、消化管の運動障害(便秘・下痢)、発汗障害、起立性低血圧、瞳孔の変化、膀胱の機能障害、EDなどを引き起こし、しばしば日常生活に大きな障害をもたらします。
糖尿病性腎症
腎臓は、血液中の老廃物をろ過し、尿として、体外へ排出する役割を持っていますが、糖尿病で高血糖状態が続くと、腎臓内の毛細血管が動脈硬化を起こして硬くなります。
腎臓の機能が低下してくると、だるい、疲れる、足がむくむ、貧血になる、吐き気がする、息苦しいなどの症状が現れますが、これらの症状が現れたときには腎機能はかなり低下していて、人工透析などを受けなければならなくなります。糖尿病腎症は、透析導入原因の第一位であり、透析療法に至った糖尿病患者の生命予後は厳しいといわざるを得ません。
透析療法に至る前に尿中アルブミン排泄量の測定などを行い、早期に治療をして行く必要があります。
糖尿病性網膜症
腎臓内の血管と同じように、眼の奥で光を感じる部分である網膜の裏側の血管は非常に細かく広がり、酸素と栄養を供給しています。血糖の高い状態が長期間続くと、これらの血管は詰まったり、破れたりします。破損した血管から、血液や脂肪分が漏れ出し、眼球内で凝固します(前増殖性網膜症)。さらに、血管障害により酸欠状態となった場所では、新しい血管(新生血管)が作られますが、この血管は非常にもろいため、簡単に破裂し出血しやすくなります。このような状態を繰り返す事により、最悪の場合は失明に至ることがあります。糖尿病性網膜症は日本における中途失明の最大の原因で、年間3000人もの人が新たに失明に至ると報告されています。2型糖尿病においては、診断時に20%の人に網膜症が存在し、糖尿病発症後20年で60%の人が網膜症を発症します。 |