運動療法は、糖尿病の治療を続ける上で、食事療法と並びとても大切な治療です。糖尿病の運動の基本は、(1)ウォーキングやジョギング、水泳、ラジオ体操など体に酸素を取り入れてエネルギーを燃やしながら行う有酸素運動を、(2)食後に30分から1時間行うことです。
運動は単にエネルギーを使うだけが目的ではなく、体を動かすことで、体全体のインスリンの利きがよくなり(インスリン感受性の増加)血糖コントロールに有効です。この効果は約2日間程度持続するといわれています。糖尿病の運動療法は一週間に一度まとまった運動をするより、こまめな運動を少なくとも1日おきに続けていくことが重要です。万歩計などを用いて日々の生活の中で一日1万歩を目安に運動を行います。
どの程度の強さの運動をどのように行うかについては、個人差があります。ことに合併症を抱えた人がいきなり激しい運動をする事は逆効果であり、よくありません。主治医とよく相談し、注意しながら、徐々に運動療法を進めていきましょう。
運動療法の効果
- (1) 運動により、体内のブドウ糖が消費され、血糖値が下がる。
- (2) インスリンに対する筋肉細胞の感受性が高まり、血糖コントロールが良好になる。
- (3) 血圧が低下し血液の循環が良くなる。
- (4) 脂肪を消費し、燃焼させやすい体質となり、効果的な動脈硬化の予防となる。
- (5) 心肺機能を高め、脳・心臓血管の病気を予防・改善する。
- (6) 運動によるカロリーの消費により、体重の減少が期待できる。
- (7) 足腰が強くなり骨量低下や老化を予防することが出来る。
- (8) トレスが解消され気分が爽快になる。
- (9) 基礎体力が付き、身体の動きが楽になる事で、日常生活のQLOが上がる。
効果的な運動法
運動量は、1日平均150キロカロリーを目標に、手軽に始められるウォーキング、軽いジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動をお勧めします。糖に対する運動の効果は、ほぼ2日位は有効であると言われていますので、1週間に3回位から徐々にはじめ、ご自身の体力に合わせ、計画的に長く続けられるものが良いでしょう。
運動療法で注意が必要な方
運動療法を行う上で、高血圧や心臓に何等かの重篤な病気を持っている方、顕性蛋白尿をともなう進行した腎症や増殖性網膜症の方、あるいは膝や股関節に病気がある方などは、事前に運動量、運動方法などを事前に主治医と相談し、安全に行ってください。 |