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痛風/千代田朋仁クリニック
痛風/千代田朋仁クリニック
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痛風

痛風とはどんな病気

 
痛風とは、身体の中に「尿酸」が蓄積する事で、引き起こされる病気です。この尿酸が血液中で増加するのが「高尿酸血症」と呼ばれる状態で、それが、さらに進んで発作が起きる様になった状態が「痛風」なのです。痛風発作の特徴は、関節が赤くはれ上がり激しい痛みを伴うのが特徴です。

痛風の痛み

 

痛風発作の痛みの特徴は、局所の熱感を伴った非常に激しい痛みが、突然にやって来ますから、そのショックもあって、初めて襲われた時は誰でも例外なく驚くものです。時には、骨に響くような、あるいは捻挫とか、スジや腱の異常が疑われる様な激痛であるため、整形外科や接骨医へ駆け込む人も居ます。激しい痛みなのに、その理由に思い当たるフシがない事が痛風発作の大きな特徴です。もし、足をくじいたとか、傷が化膿したといった、はっきりした理由もないのに脚に激しい痛みが起こったら、痛風発作を疑ってみる必要があります。痛風発作の70%は足の親指の付け根に起きます。ついで、かかと、アキレス腱の周辺、足の甲やくるぶしの関節など、殆どが足に起こります。まれですが、手の関節や手指の関節に起こることも有ります。

    通風の痛み   通風の痛み   通風の痛み   通風の痛み

痛風の本当の怖さ、それは痛みの後にやってくる

 
非常に激しい、痛風発作の痛みは、ある日突然に起きて、又突然にさってゆきます。痛みが激しいだけに、その去り方はまるでウソのようです。特に、初期の痛風発作では、放って置いても、2、3日以内で痛みが治まることが多いのです。痛みが去ったからといって安心するのは禁物です。たとえ、発作が治まっても完治したのではありません。 「痛さ」が痛風の本質ではない事をよく理解して置いてください。 血中で尿酸濃度が高くなると(7.0r/dl以上)尿酸は、液体ではなく固体(結晶)となり、異物として炎症を起こすのです。血中に蓄積された尿酸は、やがて、結晶となり、組織に沈着し始めます。 我々の身体に備わった免疫細胞である白血球は、この尿酸を異物として排除しようとしますが、その反応があの強烈な痛みとなって現れるのです。

痛風は体内に蓄積された尿酸が元で引き起こされますが、痛風の発作が起こらなくても、高尿酸血症と診断されれば、それが元で、痛風以外の病気になる事も多くあります。痛風は、痛み(発作)だけでなく、そのような「合併症」が怖いのです。痛風、あるいは高尿酸血症は、私たちの生活習慣と密接に関連しており、それ自身が単独の病気というより、他の成人病と合併して存在する率が非常に高いのです。合併症には、腎臓障害、高血圧や脳卒中、糖尿病、心臓病、動脈硬化など、代表的な成人病と深く関わっています。きちんと対応しておかなければ、予後は悪く、充分な警戒が必要なのです。 痛風や高尿酸血症は、早めに診断を受け、継続して治療を行えば、それほど怖い病気ではなく、又、成人病を未然に防ぐ事も可能なのです。
偏光顕微鏡映像   通風の本当の怖さ、それは痛みの後にやってくる   通風結石

痛風治療は根気が必要

 
残念な事ですが、痛風は完全に治癒する事はまれです。一度高くなった尿酸値は、食事療法や薬を服用しなければ、生涯低くなる事はありません。一生涯関わっていかなければならない病気である事や、複合的な病気であるために、その検査は多岐に亘り、治療にも長い時間がかかります。 軽い痛風では、高尿酸血症の治療を始めて半年も過ぎると発作は起こらなくなりますから、どうしても気のゆるみが出ます。しかし、そこで、それ以降に医師の診察を受けず、薬の服用を止めれば、1〜2週間もすると尿酸値は以前の高い値に戻ってしまいます。尿酸値の上昇は結果的に、発作の再発、さらには腎臓やその他の臓器の障害につながっていきます。適度な運動や食事療法により生活全般のコントロールを行い、 適切な薬の服用により、生涯に亘り健康な人生を送ることができるのです。

痛風発作は夜に起きやすい

 
多くの場合、痛風発作は夜中に起こります。寝ている時は、血圧が下がり、血液の循環が悪くなる事で、血液がうっ滞しやすくなります。昼間にストレスにさらされているような場合には、さらに自律神経のコントロールが乱れがちになり、血液の循環はますます悪くなります。こんな状態の時に、夜中に痛風発作が起きやすくなると考えられています。

「中年・不摂生・肥満」は痛風予備軍

 

現在、わが国にはおよそ50万人の痛風患者さんがいるといわれており、さらに痛風の予備軍である高尿酸血症の患者さんを加えると数百万人になるともいわれております。 痛風の患者さんの殆どは男性で、20歳代以上、特に40から50歳代が患者数の半数以上を占めております。その要因は果たしてなんでしょうか。学生時代にスポーツで健康な汗を流していた人が社会人となり20歳代あるいは30歳代では仕事の後のスポーツは止めて、本格的に酒を飲み始める。やがて中年太りの歳を迎え、高尿酸血症になり、40歳代で痛風になる、そんなケースが多いようです。統計を見ると統計を見ると40歳代の男性に最も多く、30歳代と50歳代の男性がその両端にいるという構図になっています。ところが70歳代以降になると患者数は大幅に減少します。此れは、年齢と共に細胞や体の代謝が落ちてくる事が要因だと考えられて居ます。体の代謝がもっとも盛んで、飲酒量も多く、食欲旺盛な30歳代から50歳代が、痛風がよく起こる年齢層だといえそうです。
つまり、働き盛りの男性は要注意というわけですが、中でも注意を要するのは「肥満気味」の中年男性です。細菌は発病年齢が、若年化して来ているのも特徴です。つまり、「中年・不摂生・肥満」が痛風のキーワードといえるでしょう。

女性の痛風は閉経後に起こる

 

性ホルモンが関係しているとなると、閉経以降の女性はどうなのでしょうか。女性の患者数は痛風患者数全体から見れば5%以下ですが、その大半を占めるのが、閉経以降の女性です。そして、残りのわずかが、二次性の腎不全や、利尿剤などのために、高尿酸血症に陥り痛風になった女性です。最近ではやせ薬として利尿剤を連用して、血液中の水分が減少し、尿酸濃度が高くなる事で高尿酸血症になったという女性が問題となっております。痛風にはそれ以外の要素として「遺伝」があります。特に痛風と無縁なはずの女性が痛風にかかった場合には、体質や遺伝素因が濃厚なため、その子孫に痛風が伝わってゆく可能性が高くなります。女性の痛風の場合は、男性で見られるような痛風の典型的な症状は出ない事が多く、同じ足の痛みでも激痛というより、じわじわした痛みが長期間続きがちです。そのために痛風が発見されにくく、発見が遅れて腎不全になるケースもありますから、要注意です。

痛風と性格の関係

 

性格と痛風の関係というのは、一見非科学的に思われるかもしれませんが、高尿酸血症のある人や、痛風にかかっている人を見てみると「積極的で行動力がある」と言う共通の性格があるようです。全般的に言えるのは、自発的に仕事の取り組み、行動してゆくタイプで、そのための努力や負担はいとわない人です。チャレンジ精神が旺盛で、指導性、社会性に富み、物事を積極的に現実的に処理していける現実派タイプ。そんな共通項が見て取れます。このような精神活動と高尿酸血症・痛風がどこでどのように関連しているのか、明らかになっていませんが、統計的には、こういったタイプの人たちが痛風予備軍といえそうです。

「痛風」あの痛みは尿酸と白血球の闘い

痛風発作の激痛、それは私たちの体の反応、尿酸に対する組織の正常な反応といえます。痛風発作が起き、激痛にみまわれている時、体内では尿酸と白血球の熾烈な戦いが展開されているのです。体内で増えすぎた尿酸(6.5〜7.0r/dl以上)は、組織の中、特に関節やその周囲・皮下などで尿酸ナトリウムの結晶(固体)となって沈着します。この結晶を顕微鏡で見てみると、まるで細く鋭い針の様な状態になっているので、針状結晶と呼ばれます。その長さはおおよそ白血球の直径の三分の一から二分の一くらいです。当然この結晶は、身体にとっては「異物」に他なりません。そこで、人体の防衛軍とも言える白血球が出動して、尿酸結晶を食べようとします。ところが尿酸の結晶は最近のような生物ではなく物質であるために、人間にはそれを消化する分解酵素がありませんから、白血球が食べても分解されません。 闘いの結果白血球は内側から破られて死んでしまいます。しかも、尿酸結晶と白血球の闘いにより、組織や白血球はエネルギーを消費してしまい、結晶のあるところは、ますます酸性化して、尿酸はいっそう結晶化しやすくなるという悪循環に陥ってしまうのです。私たちの身体には、炎症を活発化させ、白血球との闘いを激しくさせる働きがある、ロイコトリエン、プロスタグランジンなどの「ケミカルメディエター」という化学物質があります。なぜこのような物が存在するかというと、人体のどこかでトラブルが発生した時、その異常を脳に通報するための警報装置の役割があるのです。尿酸の結晶が白血球に貧食されると、単球からはインターロイキン、白血球からは活性酸素、プロスタグランジンなどを放出するため、痛みの信号はますます高くなり、痛風発作の激痛が生じるというわけです。

尿酸は肝臓にも打撃を与える

 

腎臓は、体内に生じた不要物質を対外に排泄し、体液の組成や量を一定に保つ機能を持っています。痛風の元になる尿酸も、身体にとっては不要の物質ですから、これらは腎臓の働きで尿中に排泄されます。排泄される尿酸の大部分は尿の中へ、そして残りの三分の一から四分の一は便中に排泄されます。ところが、尿酸が作られ過ぎたり、排泄されなかったりすると体内に留まって痛風の原因になるのです。それが関節に留まれば痛風発作の原因となり、皮膚の下に留まれば痛風結節という事になり、尿路に留まれば尿路結石というように、身体の各所に悪い影響を与えます。そして、腎臓に留まれば、腎障害を引き起こします。尿酸により腎障害に陥った腎臓は本来の機能を発揮する事ができません。 第一に起きる変化は、濃い尿を出せなくなる事です。症状としては、のどが渇き多くの水を飲んだり、夜中に頻繁にトイレに行ったりする事もあります。また、慢性間質性腎炎といって、その障害が進めば、腎臓の髄質というところに微細な結晶が留まり、そのまま進むと皮質部の糸球体のほうも障害され、恐ろしい尿毒症(腎不全)にもなります。このようにして機能の低下した腎臓は、ますます尿酸を排泄する能力を失ってゆくという悪循環に陥る事になってしまいます。

尿酸をうまく排泄できない人(排泄低下型)、たくさん作りすぎる人(生産過剰型)

 

一般に腎臓が尿酸を排泄する機能にはかなりの制約があります。つまり尿酸の産生がやや増加すれば体内に蓄積されやすく、体内の尿酸は簡単に増加して簡単に高尿酸血症を起こします。プリンタイを多く含む食事を大量に摂取しても、やはり体内の尿酸は増加し、高尿酸血症を起こします。比較的プリン体の少ない食事をしていれば、尿酸の入ってくる量と出て行く量が同じで問題はないのですが、体質的に腎臓で尿酸を排泄する力が少し弱い場合にも体内の尿酸プールは増える事になります。このように、一口に高尿酸血症といっても、尿酸が過剰に出来る「産生過剰型」と尿酸の排泄が悪い「排泄低下型」の二つのタイプと、その二つのタイプを併せ持った「混合型」の三つのタイプがあります。

痛風発作の定義

 

痛風の発作は激しい痛みを伴います。思い当たる理由もなく突然痛みに襲われた場合には痛風を疑ってみる必要があります。勿論素人判断は危険ですが、以下のようなことに当てはまる場合には痛風発作の可能性が高いと判断してよいでしょう。

  1. ねんざやケガなどの、痛みに思い当たる事がない。
  2. 夜中に起きる事が多い。足の親指、アキレス腱、足の甲などに起こる。
  3. 急激に痛みが増し、短時間で痛みがピークに達する。
  4. 複数個所でなく一箇所だけが痛む。
  5. 幹部が赤くはれ、熱を持つ。
  6. 年に、一、二回起こることが多い。
これらのすべてではなくても、いくつか思い当たる場合は、痛風発作である可能性があります。出来るだけ早く専門医に相談してください。

健康診断で尿酸値が高かったら要注意

 
人により差はありますが、高尿酸血症でも自覚症状のない無症候性高尿酸血症の時期が5年から10年ほど続きます。この時期には痛風発作に至らなくても、確実に腎障害などの合併症が進行していると考えなくてはなりません。健康診断やドックでは、たいていの場合、血液を取って尿酸を測定します。もし尿酸値の測定が含まれていない場合には、希望して、尿酸値を測定してもらうようにしましょう。測定の結果、尿酸値が7.0r/dl以上なら男女の差なく要注意です。たとえ痛風の症状がなくても高尿酸血症を疑っておいたほうが賢明でしょう。尿酸の値はさらに高くなる可能性もありますから、半年に一回は定期的に尿酸の検査を受けるようにしてください。

痛(いた)んでいる時にすぐ受診を

 
痛風発作はたいていの場合激痛を伴い、しかも足に起こることがほとんどですから、歩くどころか靴を履くこともためらわれるほどです。炎症を起こしている関節内に尿酸の結晶が発見されなくては、確実に痛風と診断できない事もあるのです。しかも、関節内の尿酸を採取できるのは、関節がはれ上がっているときとその数日後までに限られます。関節炎の原因は痛風以外にも考えられますので痛みが出たら、痛(いた)んでいるときに、すぐ専門医に診察を受けることをおすすめします。

自分は、尿酸産生過剰型なのか尿酸排泄低下型なのか

 
高尿酸血症であることが確実となったら、次にその分類のための検査を行います。体内で必要以上に尿酸が作られる「尿酸産生過剰型」なのか尿酸の排泄機能が低下する「尿酸排泄低下型」なのかを調べます。この検査では、低プリン食にして、@尿酸の排泄量を測る。A尿酸の排泄能力を測る。低プリン食に買えて3〜4日経っても尿酸の排泄量が相変わらず多ければ、尿酸産生過剰型となりますので、さらに、いろいろなプリン体関連の酵素に以上がないか野検査も必要となります。尿酸排泄低下型では、尿酸クリアランスが正常人より明らかに低下します。この検査には、クレアチニンと一緒に、血中、尿中の尿酸濃度を測定してクレアチニン・クレアランスの10%以下の尿酸クリアランスならば排泄低下型と考えると良いでしょう。痛風あるいは高尿酸血症といわれたら、自分はどのタイプなのかを知る事は大切な事です。尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型では治療時に選択する薬剤も違ってくるからです。痛風専門医に相談し自分がどのタイプなのかを検査してもらうと良いでしょう。

痛風発作が起こっているときは、尿酸を下げる薬は飲んではいけません

 
痛風発作が起こっているときは、痛風をとめる薬は服用してかまいませんが、この時点で特に注意していただきたい事は、同時に尿酸を下げる薬を飲むのは危険だという事です。万一、病院で痛み止めの薬と一緒に尿酸値を下げる薬を処方されたとしても、服用には慎重になったほうが良いでしょう。この時期に尿酸値を下げる薬を飲む事は、痛風発作をさらに悪化させる事になりますので、この場合、尿酸値を下げる薬は飲んではいけないのです。

痛風の治療薬

 

痛風の治療薬には、尿酸の排泄を促す「尿酸排泄促進剤」と、尿酸の産生を押さえる「尿酸産生抑制剤」の二つの種類が有ります。薬の服用では、まず自分が尿酸産生過剰型と尿酸排泄低下型のどちらのタイプなのかを的確に判断して、これらの薬を使い分ける必要があります。尿酸排泄促進剤には一般名「ベンズブロマロン」「プロべネシド」などが有り、一方、尿酸の産生を押さえるのは「アロプリノール」が有ります。尿酸排泄低下型の痛風で症状が軽く、腎機能が悪くない場合には、尿酸の排泄を促す薬の服用だけでよいでしょう。この場合、尿酸の産生を押さえる薬でも悪い訳ではありません。又、痛風自体が進行していたり、腎臓結石がある尿酸産生過剰型の場合には、尿酸の産生を抑える薬が必要です。さらに両方のお薬を少量ずつ併用する方法も使われています。自分が日常的に服用している薬はどういうものなのか、必ず、その名前を覚えて置いてください。いざと言う時に困らないだけでなく、かかりつけではない医師の世話になるような場合でも、常用薬がわかっていれば、それだけ処置も的確になるからです。

  日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
日本痛風核酸代謝学会名誉会員
元帝京大学医学部教授・副院長
千代田朋仁クリニック
 
院長 赤岡家雄
 
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