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痛風/千代田朋仁クリニック
痛風/千代田朋仁クリニック
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呼吸器

呼吸器の疾患

 

咳とたん

 

咳と痰は呼吸器内科を受診する症状として最も多い症状です。
咳の原因として,風邪や肺炎などの感染症・癌などの悪性疾患・喘息などアレルギーが原因となっている疾患・間質性肺炎・気胸・気道内異物などの肺の病気だけでなく、鼻の疾患・心疾患・消化器疾患など肺以外の病気が原因となる場合や薬の副作用・心因性など多岐にわたります。咳や痰が続く場合には,これは当然のことですが,患者さんの多くはその原因を追究することよりも症状を抑えることを最重要事項として来院される場合が多いのですが、原因をしっかりと追究してこそ本当の意味での治療に結びつくことを知っていただくことが,とても大切だと思います。
 受診時には以下の項目を御自分でチェックし,受診時に担当医にお見せください。

  1. いつから咳がではじめたか?
  2. 痰はでるか?また,出るならば何色か?(黄色・緑黄色・鉄さび色・灰色・・・)血は混ざらないか?
  3. 咳が出やすい時間や状況(夜布団にはいってから/冷房が効いた部屋に入ると/横になると/食事中に,など)を具体的に考えてみてください。どんなときですか?
  4. タバコはすいますか?ペットは飼っていませんか?仕事はどんなことをしていますか?家族に似たように咳や痰で苦しんでいるひとはいませんか?
できるだけ,具体的にお話いただけますと,私たちにとっても非常に役立ちます。

肺炎

 
何らかの病原微生物が肺に侵入して,急性の炎症をきたしたものです。高齢者あるいは種々の基礎疾患を有している人に多いが,一般社会生活を送っている健常者にもみられる疾患であります。年齢や基礎疾患の有無などそれぞれの背景によってその臨床像や起因菌に差異があります。
肺炎の診断は 1.病態診断、 2.重症度診断、 3.原因微生物診断 から成り立っています。 肺炎の病態は、喀痰や咳嗽をはじめとする下気道感染症の症状と理学的所見,および胸部X線所見によってなされ、肺炎と診断した場合,その重症度の診断は,治療法の選択の基準となり,その原因微生物の推定は治療薬選択の基準となります。

1.病態診断
急性炎症をきたした証拠として,多くは発熱,咳,痰,呼吸困難,胸痛などの理学的所見を呈し,末梢血白血球増加,CRP陽性,赤沈亢進などの検査所見を呈し,炎症の場が肺にある証拠として胸部X線写真上異常陰影を呈します。

2.重症度診断
患者の年齢,基礎疾患,発熱,意識障害やチアノーゼの有無,呼吸回数,血圧などの問診や症状による所見,低酸素血症,CRP,白血球数などの検査所見,および胸部X線写真による陰影の広がりを加味して重症度を判定します。

3.原因微生物診断
経験的治療における原因微生物推定のための検査としては,グラム染色が有用。
尿中抗原検出検査として,レジオネラ,肺炎球菌が実用化されています。
細菌培養や血清診断は,初期治療が無効な場合の治療薬選択の指標となるために必ず行うべきです。

治療
肺炎の重症度,細菌性肺炎・非定型肺炎の鑑別,原因菌の推定し抗菌薬を選択します。全身状態を考慮し,補液・酸素投与等を行います。誤嚥による肺炎が疑われた場合は,誤嚥防止措置も並行して行います。
(日本呼吸器学会「呼吸器感染症に関するガイドライン」参照)

気管支喘息

 

喘息とは:喘息は気道(気管支などの空気の通り道)が慢性的に炎症を起こす疾患です。
気道が狭くなり分泌物の増加や粘膜の浮腫などが起こって、呼吸をする際に「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という音や、咳、呼吸困難などを発作的にくり返す病気です。

原因:多くはアレルギーの原因となる物質(アレルゲン:ダニ、ホコリ、ペットの毛など)が関係しています。アレルギーを起こしやすい体質(アトピー体質)のある人にこういったアレルゲンが加わると炎症(アレルギー性炎症)が起こることになります。
精神的なストレス、自律神経の不安定、気象の変化、風邪なども、喘息に影響します。

診断:喘息と診断するには各種検査が必要です。咳が長期に続く場合はこのような検査を受けましょう。アレルギー体質を調べ、他の病気と区別するために行います。
問診、聴診、胸部X線(レントゲン)、血液検査、喀痰検査、呼吸機能検査。
治療:治療をせずに気道の炎症が長く続いてしまうと気管支組織の破壊、構造変化などが起きてしまうので、初期のうちからこの炎症を抑える治療を行うことが重要です。アレルゲンを取り除く、喘息を起こす誘因を避ける、適切な薬を定期的に使用することにより、健康な人と変わらない生活を送るようにすることが治療目標です。
次のような薬剤が使われます。

ステロイド:吸入薬(悪化時は内服薬や点滴)。治療の中心となり気道の炎症を抑えます。
気管支拡張薬:テオフィリン:内服薬。
        β(ベータ)2刺激薬:吸入薬、内服薬。
ロイコトリエン拮抗薬:内服薬。
去痰薬:内服薬、吸入薬。痰が多く出しづらい場合に使います。
日常生活上の注意点:

規則正しい生活、禁煙(本人、家族とも)、風邪の予防(手洗い、うがい、マスク、予防接種)、原則としてペットを飼育しない、冷暖房や温度差に注意する、などに注意しましょう。

COPD (Chronic Obstructive Pulmonary Disease の略)(慢性閉塞性肺疾患)

 

COPDとは:気管支の炎症や肺の弾性の低下によって空気の流れが慢性的に悪くなる病気です。従来肺気腫や慢性気管支炎と診断されていたものをまとめてCOPDと呼ぶようになりました。 全国に約530万人以上の患者さんがいると推測されていますが、実際に治療を受けているのはごく少数と思われます。

原因・診断:第一の原因はタバコです。息切れ、咳、痰が特徴的な症状です。ひどくなると、口をすぼめて息を吐くような呼吸、胸郭が膨らんでいるなどの特徴が見られます。
息切れ、咳、痰などが数ヶ月以上続く、喫煙歴がある、かぜをひきやすい、喘息のような症状が時々ある、坂道を歩く時に他の人より遅れてしまう、息苦しくて思うように食べられない、などの症状を自覚したら早めに受診して検査を受けましょう。
症状が咳や痰といったありふれたものでしかもゆっくり進行するため、重症になるまで受診しないことが大きな問題になっています。

行う検査は:問診、身体所見、胸部X線、胸部CT、呼吸機能検査などです。
この中でも呼吸機能検査(スパイロ検査)は特に重要で、肺活量と、気道の閉塞性障害の程度(息を吐くときの空気の通りやすさ)を調べます。

治療:治療の中心は禁煙、薬物療法、運動療法等です。
喫煙は肺機能を低下させますが、禁煙をすると肺機能が低下する速度を遅くできます。よって早期に禁煙することが重要です。減煙や節煙はあまり意味がありません。薬物療法(吸入薬や内服薬)は症状を和らげることができます。主に吸入薬が用いられます。吸入薬は効果的で副作用も少ないので高齢者にとっても安全性が高いとされています。
気管支拡張薬(吸入抗コリン薬、テオフィリン、β2刺激薬)、去痰薬などがあります。
病状によっては在宅酸素療法を導入することがあります。
また、呼吸理学療法(リラクゼーション、呼吸筋トレーニング、排痰法、運動療法など)も有効です。

日常生活上の注意点:
禁煙、風邪の予防(手洗い、うがい、マスク、予防接種)、
適度な運動を心がける(筋肉を鍛えることで呼吸機能の改善を期待できます)、
十分な栄養をとる(呼吸をするのに健康な人よりエネルギーが多く必要です)、
といったことが重要です。

間質性肺炎(肺線維症)

 

間質性肺炎(肺線維症)という病気をご存知でしょうか。
吸入した空気は気管から気管支を経て肺胞に至ります。ここで酸素と二酸化炭素の交換を行います。外界や口腔内細菌の侵入により気管や肺胞(空気の通り道)に起こる炎症が細菌性肺炎です。通常の肺炎はこの細菌性肺炎を指します。
間質性肺炎は通常の肺炎とは違ってやや特殊な肺炎です。 間質とは気管や肺胞(空気の通り道)の間の部分を指し、そこに起こる肺炎のことを間質性肺炎と言うのです。

咳、息苦しさ、熱など間質性肺炎の症状は普通の肺炎に似ていることもありますが、症状がなく健康診断ではじめて指摘される人もいます。原因によって病気の進行する速さも様々です。原因が分からないものもあります。分かっている原因としては、鳥の糞や羽毛布団、カビやほこりなどの吸入物質、薬、放射線、ウイルス感染などがあり、リウマチなどの膠原病と呼ばれる病気の途中で起こることもあります。原因が分かるものはそれに応じた治療を行います。原因が分からないものは特発性肺線維症といい、研究や新薬臨床試験を精力的に行っています。しかし現時点では特効薬と呼べるものはなく、肺移植が行われることもあります。毎年健康診断で胸部X線検査を受けることが早期診断の近道ですが、咳や息苦しさが長期間続く場合は内科や呼吸器科を受診して下さい。また間質性肺炎と診断されたら、適切な治療を行うために原因を特定することが大切ですので、大きな病院の呼吸器科を受診して下さい。

肺癌

 

肺癌は、戦後急速に増加し、現在では、最も多い癌のひとつとなっています。さまざまな要因がからみあって発症すると言われていますが、最も大きな要因のひとつが喫煙です。

1.肺癌の症状
肺癌の症状は多彩です。初期の段階ではほとんど無症状で、健康診断の胸部レントゲンで異常を発見されて初めて医療機関を受診される方も少なくありません。進行すると共に、咳、息苦しさ、胸の痛み、血痰などの呼吸の症状が出てきます。さらに進行して脳や骨に転移を起こし、麻痺症状や骨の痛みが出てきて初めて気づく方もおられます。

2.肺癌の診断
<胸部レントゲン、胸部CT>
肺癌の存在を知るための、最も一般的な検査です。特に胸部CTでは、肺癌の大きさ、リンパ節転移の有無や、癌性胸水の有無などについても調べます。
 <組織診断>
肺癌と診断するためには、癌細胞を検出しなければいけません。
痰を調べることによって癌細胞を検出することもありますが、痰の中に癌細胞が見られない肺癌も多く、この場合、腫瘍から細胞や組織を採取する検査が必要になります。口や鼻から、気管支内視鏡(気管支ファイバースコープ)という細くて柔らかいカメラを気管支・肺内に挿入して、腫瘍陰影の部分から組織や細胞を採取する方法が行われます。この他、体の外側から腫瘍を刺して組織を採取する方法や、全身麻酔をかけて肺の一部を切除して組織を採取する方法などもあります。

3.病期の決定
胸部CTにより、胸の中で癌がどれだけ広がっているかを調べると共に、脳MRI、腹部CT、骨シンチ検査、PET検査など、肺以外の全身検査も行い、他臓器への転移の有無を調べます。これらの画像検査により、がんの広がり具合を分類したものを、病期といいます。病期は肺癌の進行度を表し、治療方針の決定にも非常に重要です。ごくおおざっぱに言うと、
T期:がんが肺の中にとどまっている段階
U期:肺門部のリンパ節まで飛んだ段階
V期:肺の外に出て、胸の中のリンパ節にまでがんが広がった段階
W期:胸の外に出て、脳・肝臓・骨などへ転移を起こした状態
(その他、癌性胸水の有無や、胸壁浸潤の有無などにより病期が変わります)
となります。

4.肺癌の病理組織分類
顕微鏡で見たかたちによって、肺癌は大きく、@腺癌、A扁平上皮癌、B大細胞癌、C小細胞癌、の4つに分類されます。この顕微鏡での見え方による分類を病理組織分類といいます。このうち小細胞癌は、前3者と比べて、進行のスピードや抗癌剤の効きかたなどに違いがあり、前3者と区別されます。前3者をまとめて、非小細胞癌と言うこともあります。
5.肺癌の治療
・非小細胞癌・・・病期によって治療方針が変わります。おおざっぱにいうと、T期、U期では手術治療、V期では抗癌剤と放射線治療、W期では抗癌剤治療が行われます。
・小細胞癌・・・画像検査では癌が限局しているように見えても全身に広がっていることが多いため、手術治療は通常おすすめされず、抗癌剤治療が中心となります。
ただし、肺癌になる患者さんは高齢であったり、癌以外の病気を抱えておられたりする方も多いので、手術や抗癌剤治療に耐えられなかったり、治療がかえって害を及ぼす可能性が考えられたりすることもあります。実際には、病期や病理組織分類と共に、患者さんの状態も考え合わせて、治療の方針を決めていきます。
・その他、症状の緩和を目的とした治療・・・脳転移や骨転移があるときは、転移部分に限定した放射線治療を追加することがあります。また、胸に癌性胸水がたまって息が苦しくなってしまうときには、胸の水を抜く治療が行われます。痛みに対して、最近ではモルヒネなどの痛み止めが広く使われるようになっています。

  呼吸器専門医・内科専門医
東京医科歯科大学付属病院 呼吸器内科
 
 助教 宮崎 泰成