痛風 痛風症状 痛風治療 リウマチ 糖尿病 循環器 消化器 呼吸器 膠原病 症状 食事 治療 病院 東京都 千代田区

痛風/千代田朋仁クリニック
痛風/千代田朋仁クリニック
東京都 千代田区 神田 和泉町 1-12-17
TEL:03-5825-6111 FAX:03-5825-6112
E-mail:info@chiyodahoujin.com
 

リウマチ・膠原病・ベーチェット病

はじめに

 
『膠原病』『自己免疫疾患』あるいは『リウマチ性疾患』などは、つかみどころがなく 医療に関して専門外の方にはわかりにくい疾患概念だと思います。 このホームページの解説では、患者さん向け医学書などにはあまりかかれてはいないような内容、 あるいは、よく誤解されている点などを重点的に説明してみました。

この解説を読んでいただく方として、医学についての専門家ではない方を想定しています。 したがって、できる限り平明な表記をこころがけました。 しかし、内容は最新の医学に関するものも含めましたので、 リウマチ学を専門とされない医療関係の方にも参考になると思います。

1. 膠原病(こうげんびょう)とは

 
『膠原病』という概念は1942年に米国の病理学者であるクレンペラーが提唱しました。 当時、病気は特定の臓器に限定されるものと考えられていましたが、クレンペラーは、複数の臓器に病変が生じ、結合組織に病変の主座がある疾患概念として『膠原病』を提唱しました。 このように『膠原病』はその名称からも病理学的な概念です。 1940年代に『膠原病』に含まれるとされた個々の疾患は、以下に述べる『古典的膠原病』です。

ところで、なぜ『膠原』病というか、という疑問があるかもしれません。 『膠原病』は英語ではcollagen disease、つまり「コラーゲン病」です。 コラーゲンの日本語訳が『膠原(こうげん)質』です。 もともとcollはギリシャ語のkolla(膠:「にかわ」)から由来しています。 私の推測ですが、はじめて日本語訳を考えた人は「コラーゲン」を「こうげん」と訳して、 きちんと音までも似せて訳をかんがえたのだと思います。 なお、現在では、欧米ではあまり膠原病:collagen disease は使われておらず、 むしろ、以下に述べる結合組織病(connective tissue disease)、 あるいはより広い概念のリウマチ性疾患(rheumatic disease)がよく使われています。

2. その他の分類

 
同じ病気でも、どのような点に注目しているか、ということで別の分類で呼ばれることがあります。 以下のような分類もよくみると思いますので、簡単に説明します。

1) 結合組織病(connective tissue disease):膠原病と同様に病理学的概念です。
2) 自己免疫疾患(autoimmune disease):疾患の原因からの分類です。膠原病以外の橋本病なども含まれます。
3) リウマチ性疾患(rheumatic diseaseあるいはrheumatism):関節が痛くなる疾患をすべて含みます。膠原病を含む、もっとも広い概念です。膠原病は、リウマチ科でみます。 なお、英語では、リウマチ学はrheumatologyで、リウマチの専門医はrheumatologistです。

ところで、なぜ「リウマチ」と「旧かなづかい」の表記なのでしょうか。 これは医学用語だからであり、『日本リウマチ学会』で、このように表記すると決めているからです。 発音は「りゅーまち」です。 これは旧かなづかいで「てふてふ」と書いて「ちょうちょう」と発音していたのと同じです。 一般の新聞などでは、当然、「現代かなづかい」を使用し「リューマチ」と表記します。 外来語なので、音をのばすときにつかう「ー」をつかって表記します。 従って、「リュウマチ」という表記は厳密にいうと誤りであり、このように表記している場合は リウマチを外来語と意識していないのかもしれません。 要するに「チューリップ」と書きますが、「チュウリップ」とは書かないのと同じです。

3. 古典的膠原病

 
関節リウマチ、結節性動脈周囲炎(現在では結節性多発動脈炎)、全身性エリテマトーデス、 強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎、リウマチ熱の6疾患が含まれていました。 ただし、現在では、リウマチ熱は溶連菌に対する免疫反応によることがあきらかとなり 『膠原病』からは通常除外されています。 「関節リウマチは膠原病ですか?」という質問をよくうけますが、上述のように、 古典的な分類ですと膠原病に含まれます。 しかし、現在では、他の膠原病とはわけて関節リウマチを記載する場合も多いと思います。

4. 新たに追加された膠原病

 
シェーグレン症候群、混合性結合織病、好酸球性筋膜炎などで、古典的膠原病が報告された後、 明らかになってきた疾患であり、古典的膠原病とおなじ膠原病という範疇に分類されます。

5. 膠原病類縁(こうげんびょう るいえん)疾患

 
膠原病類縁疾患とは、膠原病と症状が似ており、病態においても自己免疫が関係しており、 治療も膠原病と同じような薬を使い、一見、膠原病のようなのですが、 上述の膠原病を合併しやすいということはなく、膠原病の「親戚」のような疾患です。 この中にはベーチェット病、サルコイドーシス、強直性脊椎炎、反応性関節炎などが含まれ、専門として診察するのは、やはりリウマチ科の医師です。

6. それぞれの疾患について

 
以下に個々の疾患について説明してみます。

1) 関節リウマチ

病名の説明
以前は「慢性関節リウマチ」という病名でした。 最近「慢性」を取った病名の「関節リウマチ」になりました。
古い本、あるいは法律用語などでは「慢性関節リウマチ」が使われていますが 「関節リウマチ」と同じです。
なお英語で検索する時はrheumatoid arthritisです。

疫学
世界規模では、地域的におおきな偏りはほとんどなく分布し、 どの地域でも大体人口の0.5-1.0%の患者数です。わが国では約70万人の患者数です。 男女比は約1:4で女性に多く、30-50歳が好発年齢です。 よく誤解されているところですが、高齢の方の病気ではありません。

病態
関節を包んでいる滑膜という組織に生じる炎症が病態の中心です。 炎症が持続すると滑膜が腫れてきて、さらに周囲の骨が破壊されます。 したがって、いきなり骨に変化がおきるわけではありません。

症状
症状は全身症状としては全身倦怠感、疲れやすさ、などがあります。 関節症状は、まず朝の起床時の「手のこわばり」が、重要です。 これは短時間ではなく一時間以上続きます。朝だけでなく、たとえば昼寝したあとなどにも生じます。 では、関節がどのような状態になるのでしょうか。 関節リウマチでは痛みだけではなく腫れることが重要です。 しかも、その腫れが少なくとも6週間は続きます。 数日から一週間くらいで腫れがひいてしまうばあいは関節リウマチ以外の疾患の可能性が 大きいといえます。症状がでやすい関節は手では指の先端の関節以外の関節です。 ほかには手首、肘、足のゆび、足首、膝、股関節、首の頚椎などです。 典型例では左右に対称的に関節症状が生じてきます。 あごや、鎖骨と胸骨の間にも関節炎がおきることがあります。

検査
まずレントゲン写真をとります。 通常手の指、足のゆび、そして症状のある関節を撮ります。 足のゆびには症状を自覚していない場合もあり症状がなくても足のゆびは必ず撮ります。 時に「間質性肺炎」を合併することがあるので、胸のレントゲン写真も初診時には撮ります。 血液と尿の検査も行います。血液では、通常の健康診断で行うような項目以外に、CRP、赤沈、リウマトイド因子、抗CCP抗体、 マトリックスメタロプロテナーゼ-3などの測定を行います。

診断
診断は、自覚症状、関節の腫れた状態、レントゲン写真、血液検査の結果などを総合して行います。 よく誤解されていることですが、リウマトイド因子だけで診断はつきません。 リウマトイド因子は関節リウマチでは約8割の方が陽性になりますが、2割の方は陰性です。 一方、住民を対象とするような健康診断などで測定すると数%の方で陽性になります。 つまり関節リウマチの方でも陰性の場合があり、関節リウマチでない方でも陽性になる場合があるので、 この検査結果が陽性となっただけで、関節リウマチと診断できるわけではありません。

治療
診断がついたら通常、抗リウマチ薬というリウマチの治療薬の内服をはじめます。 世界的な標準薬はメトトレキサート(商品名リウマトレックス、メトレート、メソトレキセートなど)です。 わが国では、サラゾスルファピリジン(商品名アザルフィジンなど)やブシラミン(商品名リマチル)なども、よく使います。 古い薬ですが、金の注射薬(商品名シオゾール)もいまでも有効な治療薬として使われています。 最近、タクロリムス(商品名プログラフ)も使用可能となりました。

関節リウマチの治療は原因を取り除く治療ではないので、根治あるいは完治という表現はつかいません。
関節リウマチの治療では、薬を使い続けてあたかも完全に治ったような状態にすることを目標とします。
このような状態を「寛解(かんかい)」といいます。 「治療はずっとつづけるのですか?」という質問をよくうけますが、 原則として薬を途中でやめることはありません。 いったん中止した場合、再開しても以前と同じ効果がかならずしも出ない場合もありますので、けっして御自身の判断で内服を中止しないでください。

新しい治療
現在、内服薬よりも強力な「生物学的製剤」の点滴(商品名レミケード)、 あるいは皮下注射(商品日エンブレル)による治療もあります。 今後、さらに、あらたな生物学的製剤も使用可能になる予定です。 詳細は担当の医師から説明を受けてください。

2) ベーチェット病

病名の説明
「ベーチェット」は1937年に症例を報告したトルコ人の皮膚科医の名前です。 しかし、京大眼科教授の重田達夫は1924年に症例を報告していました。 そのほかベーチェット以前にも何人かの医師が症例報告していましたが、ベーチェットはあたらしい疾患であると主張し、現在ではベーチェット病とよばれるようになっています。 なお、英語で検索するときはBehcet's diseaseです。

疫学
世界的にはいわゆるシルクロードに沿った地域に多くみられます。 つまり日本、朝鮮半島、中国、から中近東、地中海沿岸諸国です。 人口に対する患者数の比率ではトルコがもっとも高頻度です。 しかし、患者数ではわが国が最大で、約1万6千人です。 わが国の中でも分布に偏りがあり北に多く南に少ない傾向があります。 都道府県別では北海道がもっとも高頻度です。 地域別で患者数をみると関東地方が最大です。

病態
白血球の好中球という細胞の機能が亢進している状態が病態の中心にあります。 この好中球によって炎症がおきやすい状態になっています。 さらに、免疫異常、血栓のできやすさ、なども病態に関連しています。

症状
4つの主な症状があります。

 1)くりかえす口腔内のアフタ性潰瘍
 2)ぶどう膜炎などの眼症状
 3)にきび、あるいは毛のう炎、結節性紅斑などの皮膚症状
 4)外陰部潰瘍

です。そのほか中枢神経症状、腹痛などの消化器症状、血栓性静脈炎、動脈瘤などの血管症状、
なども伴うことがあり、多彩です。

検査
血液検査では白血球数、CRP、赤沈などで炎症の程度を測定します。 IgD値の上昇はベーチェット病に比較的特異的な検査結果です。 HLA-B51という白血球の膜上のタンパク質の型がベーチェット病と関係があるということが わかってきました。 HLA-B51は、日本人全体では15%が陽性ですが、ベーチェット病患者では約60%が陽性となり診断の参考になります。 ただし、HLAの測定は保険診療では適応外です。

身体的な検査では、無菌の針を皮膚に刺すとそこに発赤が生じときに膿がたまってくることがあり、 これを「針反応」といい、これも比較的ベーチェット病に特異的な所見です。 通常、外来ではあえてこの検査を行わず採血のあとの針をさした後の状態を観察します。

診断
厚生労働省の研究班の作成した診断基準があります。 上述の4つの主な症状をすべて満たせば完全型のベーチェット病と診断します。 詳細はここでは省略します。厚生労働省のホームページなどをご参照ください。

治療
炎症を抑える非ステロイド系消炎鎮痛剤、コルヒチンなどの内服を行います。 眼のぶどう膜炎に対してはシクロスポリン(商品名ネオーラル、サンディミュン) あるいはタクロリムス(プログラフ)などの内服を行います。

新しい治療
関節リウマチでも使う「生物学的製剤」(商品名レミケード)が 2007年3月からベーチェット病のぶどう膜炎でも使用可能となりました。 詳細は担当医師から説明を受けてください。

おわりに

 
以上、簡単に説明を書きましたが、さらに詳細にかんして、あるいは疑問点などは、 外来で直接担当医師にお尋ねください。
  日本リウマチ学会専門医、指導医、評議員
東京女子医科大学膠原病・リウマチ・痛風センター
 
講師 小竹 茂

リウマチ・痛風治療情報

 
さらに、詳しいリウマチ・痛風治療情報は、「リウマチ・痛風治療情報ドットネット」をご覧下さい。
 
リウマチ痛風治療情報